【Shopify移行】初めての「顧客データ移行」で事故を起こさないための完全ガイド(2026年1月最新版)
Shopifyへのサイト移管において、最もトラブルが起きがちなのが「顧客データの移行」です。「データを入れるだけ」ではあるのですが、一歩間違えると「顧客がログインできない」「個人情報の紐付けを間違える」といった、ブランド毀損に直結する事故に繋がってしまうため、注意して取り組む必要があります。 本記事では、PMや制作担当者が「これさえ押さえれば大事故は防げる」という勘所を、2026年現在の最新仕様に基づき解説します。 大枠の流れ 既存フォーマットを合わせてインポートする、がタスクになります。 既存フォーマット確認:既存サイトの顧客データを管理画面上からエクスポートし、フォーマットを確認&データ移管の範囲の決定を行います マッピング作業:エクセルまたは、Googleスプレッドシート上で、Shopifyが指定するフォーマットに変換 インポート:Shopifyにインポートを行う 【旧仕様】パスワード再設定:「アカウント有効化」(=パスワード再設定メール)を送信し、顧客各自が新サイトにログイン次第完了【新仕様】顧客各自が新サイトのマイページログイン次第完了 2026年1月現在、Shopifyはマイページの仕様を変更しようとしています。(現在は並走期間なので旧仕様・新仕様ともに使用可能です)これまで:マイページへのログインは「メールアドレス」「パスワード」が必要これから:マイページへのログインは「メールアドレス」のみでのログイン(パスワードはワンタイムパスワード制となり、パスワードレスになります) 顧客データ作成の前に。顧客移行範囲の決定 どのデータ範囲を移行対象にするのかを決めておいたほうがよいケースがあります。「移行件数が多ければ多いほどデータ作成工数・取り込み時間がかかる」「Shopifyアプリは顧客数に応じた料金体系のものがある」等があるためです。 直近2年分のデータを移行する、ただし、メルマガ会員は全員移行する 等を決めてから実施したほうが、データ作成工数が大幅に削減することが見込まれます。 基本項目(必須)と拡張項目(任意) Shopifyでは、プラットフォームが持っている基本情報とそれぞれのストアに応じて拡張出来る項目(メタフィールド)が存在します。 移行データを作成するうえで、配慮すべき点をお知らせします。 基本項目 姓、名 Shopifyでは、姓名がそれぞれのフィールドに分かれて登録を行います 既存フォーマットで1カラムの場合は分割するという作業が必要になります(例:カラーミーショップ) メールアドレス ShopifyではRFC規格(国際基準のメールアドレス登録)に順じているため既存のメールアドレスでも、規格にあっているものである必要があります メールがHTMLメールで配信されるため出来る限りキャリアのメールアドレスではなく、gmailなどのwebメールが推奨です RFC 5322規格とは以下のケースがShopifyに取り込むとエラーになることがあります。該当の顧客に関しては顧客移行ができなくなります。1. 連続ドット(test..user@docomo.ne.jp)2. 先頭ドット(.user@ezweb.ne.jp)3. 末尾ドット(user.@softbank.ne.jp) パスワード 極稀に、既存フォーマットにパスワードを抽出出来るプラットフォームも存在します。その場合でも、個人情報保護観点からパスワードの移管を行わず、別途パスワード再設定メールを送信してください。 住所 国名/郵便番号/市区町村/住所/アパート名・マンション名にそれぞれ項目を分けて登録して頂く必要があります。各プラットフォームにより、住所のデータ項目が違うため、確認が必要となります。 電話番号 「顧客に紐づく電話番号(customer.phone)」 「顧客住所に紐づく電話番号(customer_address.phone)」 の2種類が存在します。顧客数が大きくなると、住所に紐づく電話番号を活用せざるを得ないケースが多いです。 顧客タグ Shopifyならではのデータの持ち方となっており、「顧客タグ」とは購入履歴によらない、顧客を任意の項目でグルーピングする項目になっております。管理画面上からワンクリックで登録出来る、という便利な反面、命名ルールを最初に設計しないと後で整理するのが大変な項目になります。 顧客備考 この項目はデータとして活用できないので、管理者側の社内メモとして使用されるケースがほとんどです 稀に誕生日データを入れているサイトもありますが、「誕生日にバースデークーポンを送付する」ということはこのフィールドだとできませんのでご注意ください。※別途、顧客備考のデータを別のフィールドにコピーをして格納する必要があります。 拡張項目 「メタフィールド」を使用してデータを格納を行います。 メタフィールドを使用すると、通常では管理画面に取り込めない特定の情報を保存することができ、Shopifyストアの機能や外観をカスタマイズすることができます。 Shopifyヘルプセンター メタフィールドを活用することで、Shopifyの顧客情報に独自のデータカラムを追加する事ができます。必要なものは必要に応じて(コーディングが必要ですが、)サイト上に表示をさせることも可能です。 頻出項目 生年月日 データ型:Date メタフィールド:facts.birth_date facts.birth_dateはShopifyの公式が指定している標準メタフィールドカラムになるため、ここにデータを入れることがおすすめです。公式ドキュメント(Standard metafield definitions):https://shopify.dev/docs/apps/build/metafields/list-of-standard-definitions 性別 データ型:単一行テキスト(single_line_text) メタフィールド:custom.gender インポート方法について。Shopifyの管理画面から実施?アプリMatrixifyを使用しての実施? 主に2つの方法で顧客情報のインポートが可能です。結論Matrixifyでのインポートがおすすめです。 Shopifyの管理画面から顧客CSVをインポートする 基本項目のデータ移行に対応はしているものの、以下が難しいため、対応が難しいケースが多いです。 顧客メタフィールドの移行(データの型により非対応なものがある) 差分更新 エラー原因の特定 ShopifyアプリMatrixifyを使用し、顧客CSVをインポートする メリット:上記は全て解消出来るデメリット:月額コストが発生します(顧客移行期間だけ契約する、というケースが多いです) Matrixify アプリページ 顧客データ作成時の際の注意事項 Shopifyの顧客判定に関して メールアドレスまたは電話番号が一意である、というのが必須条件になります。電話番号が重複している場合、2アカウント目以降はインポートエラーになります。※被ってしまった場合は、顧客住所に紐づく電話番号フィールドを活用するなどの工夫が必要です。 このデータは「顧客タグ」なの?「メタフィールド」なの? 顧客移行で使用するデータはメタフィールドへの移行を推奨致します。 「顧客タグ」は運用中に管理画面から適宜追加・削除が出来る 「メタフィールド」はシステム・データ向けに設計されている という違いがあるためです。ただし、CRMツール(メルマガ配信ツール)がメタフィールドに対応していない場合は、顧客タグを活用せざるを得ないケースもあります。 データカラムが違う データのカラム(切れ目)が違う場合:例:移行元は姓名が1カラム、Shopifyは2カラムに分割が必要。エクセルのマクロ、GoogleスプレッドシートのGAS、またはAI(GeminiやChatGPT)を使って分割を実施します。 フラグ判定が違う場合:移行元が0/1、Shopifyがtrue/falseの場合などは、一括置換を行ってください。 顧客CSVインポートを行うタイミングで気をつけるべきポイント 会員登録フォームとの整合性:新規登録フォームのメタフィールドと移行用メタフィールドを揃える必要があります。 テストインポートの実施:本番前に必ずテスト(MatrixifyのDry run機能など)を行ってください。 データ差分:エクスポートからクローズまでの間の新規登録・更新データをどう扱うか決めておく必要があります。 Shopify Flow等の自動化:インポートをトリガーに自動メール等が飛ばないよう、設定のON/OFFを確認してください。 移行の順番:注文データも移行する場合は、必ず「顧客データ」を先に移行する必要があります。 [顧客体験] 進行観点で考えないといけないこと <メールアドレス変更の推奨案内>フォーマットエラーを減らすため、リニューアル前に案内を実施します。 <サイトリニューアルに伴うパスワード再設定依頼の案内>リニューアルの1週間前頃から告知を開始します。 オープン後(マイページが旧仕様の場合)<パスワード再設定依頼メール>リニューアル直後に一括送信します。移行特典(クーポン等)を用意すると効果的です。 顧客移行に関するよくある質問 決済(クレジットカード)情報の移管は可能でしょうか?→ Shopifyの仕様上不可能です。 定期購入に関するデータの移管も可能でしょうか?→ ほぼ不可能です。 ▼ 関わっているShopifyアプリ マイページ・チェックアウトページクーポン表示Discount Deck アプリページ Shopifyサイトになることによる機能落ち(マイページでのクーポン一覧表示など)を防ぐために導入を検討頂くケースがよくあります。